気まぐれ日記

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宇治,京都,カウンセリング

仕事を辞めたいという京都府宇治市で働く宇治さん(仮)

心理カウンセリング京都です。

毎度、カウンセリングに来てくれる方の実例をここに書くんですが本名は出せないので今回も仮名です。

京都府は宇治市で働く宇治さん(仮)女性25歳です。

初めて来てくれたのは大学を卒業したあと、現役ですんなりそれなりの会社に就職できた4ヶ月めの、彼女が22歳の夏でした。

内容は『仕事がキツい』。

先輩や上司が厳しい。

仕事が覚えられない。

仲良しがいない。

しんどさと給料が見合ってない。

と。

まぁ、言いたいことはわかる。

聞いていくと適応障害や鬱などの精神疾患ではなく、発達障害でもなさそうでしたので

何でもかんでも病的な扱いで過保護にするばかりではなく

本人のその後の人生にとってどう進めるようにしてあげるべきかというのも考えました。

22歳の宇治さんが印象的なことを言いました。

「お父さんもお母さんも、ようこんなん続けてられるなぁって感じです。仕事に人生を懸けすぎてません?」

感心や尊敬なら合ってる。でも呆れたように言うのはどうかな?

ちなみに宇治さんは高校のお金、大学のお金、運転免許代、軽四の車代、全部を親に出してもらったそうです。

それを返す気はないそうです。

というか、返すべきという感覚がないそうです。

家庭にもよりますが、それは親の多大な愛情と積み重ねがあるから出せるお金であって、

「別に私は大学行きたいなんか言ってないんですけど」とか、

「もっと可愛い車がよかったのに」とか、

そういうことを言う子に、何をどう教えてあげれば、何がどう伝わるのかなぁと毎回いろんな子に思います。

とは言えカウンセリングに来て初回で説教なんてされたくないでしょうから言いません。

発達障害・精神疾患の可能性や心配をした上で、大丈夫そうだと判断してから

少々、ほんの少々で嫌がられない程度に両親の愛情と努力を話した上で

「どうしても辞めたいんなら辞めていいんじゃない?体を壊したり、気持ちが沈み過ぎたりして病んでしまったら回復に時間が掛かるし」

と理解を示すと

「うーん。そうですよねぇ。もう辞めてまおうかなぁ」

と宇治さんは言います。

「けどさ、せっかく大学に行って現役で就職できたっていうステータスが無くなってしまうのは引っ掛かるよね」

と言うと

「そうなんです!それはもったいないからぁ」

と、一応は気にしてるようです。

結果、カウンセラーとしては厳しいことや難しいことは言わず理解と共感を示して話をしていきました。

初回だけでは本人の中で具体的な結論が出ず、翌週と、その翌週にも来てくれました。

何かを決めないといけない訳じゃないけど、退職するとなれば『カウンセリングに行ってそういう話になった』となれば周囲に言いやすいのもわかります。

けれど宇治さんは、なんだかんだで「最悪どうしてもムリと思ったら辞めます」と、とりあえずすぐには辞めないという感じで改めて頑張るという方向で思ったようです。

社会人とは、働くということは、我が子にお金を出すというのは、などなどの一般常識?教育?をウチで初めて聞いて感心したことが多くあったと言ってくれていました。

それから半年ごとに3回ほど、忘れた頃に連絡をくれて来てくれます。

内容は毎回『仕事やめたい』ですが

なんだかんだで就職して3年、もうそろそろ4年になりますが辞めずに続いているようです。

先月は来たついでにバレンタインのチョコをくれて、「最近は同期とか後輩と仲良くなってきて仕事が嫌じゃなくなってきた」と言っていました。

嬉しいことです。

時代が時代なので、もう「石の上に3年」は微妙な考え方かもしれませんが、コロコロ転職してもまた次の場所に向かうために体力は要りますから、

辞めても辞めなくてもしんどい中で、じゃあ、できるなら辞めない方がいい場合が多い。

もちろん「その会社は大丈夫?」とか、パワハラ、モラハラ、セクハラなどの心配もあるけど、

今はちょっとしたことで問題になりやすいだけで、実はそんなん昔からある。

それでも場所を選ぶことは大事ですが、やっぱり思うのは

『大学を出て初めての就職』ということには人生単位で見た時に価値を思っていいんじゃないかなという思いがあります。

もちろん両親や祖父母の愛情や経済的支援も含めて。

カウンセリングに来てまで、カウンセラーとして「もっと働け、まだまだ働け」などは絶対に言いませんし「努力が足りない根性がない」なども絶対に言いませんが、

どっちがいいんでしょうね。

あっさりと辞めるのを同意することと、もっとちゃんと頑張りなさいよと言うこと。

少し前までは仕事を辞めるってカッコ悪い事、恥ずかしいことだったし、休日なんて週に1日だけなのが普通でしたよね?

今は、ゆるゆるで優しい労働条件のような気もします。

が、

詰め込み教育や過労死が当たり前な訳もなく、昔が良かったとも言えませんので

カウンセラーとしての結論は

人生という長い期間で考えて、身体も心も病まないように支えて上げるのがいいんだろうなぁと思います。

簡単に辞めていいとは言わないけれども、潰れてまで頑張れとも言わない。

難しいですね。

ただ、宇治さんは就職して4年目に差し掛かる今、「先生に話しに来て良かった。辞めんくて良かった」と言ってくれています。

たぶん両親としても頑張り続けている今に安心していると思います。

十人十色ですが、草津さんの場合は、これで正解だったと言えるんだろうなとホッと胸を撫で下ろしています。

心理カウンセリング京都でした。

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