だらしない?思春期?それ起立性調節障害かも
心理カウンセリング京都です。
「高1の娘が、この数ヶ月なんとなくしんどいからって学校を休むようになってきてるんです」ということで、お母さんがまずカウンセリングに来てくれました。
「まぁ元からだらしないというか、あんまりチャキチャキしたしっかり者でもないんですけど、それにしても最近は目に余るというか、不登校にでもなったら怖いし・・・」ということです。
具体的にどういうところに引っ掛かりますか?
「寝るわけではないんですけど、やたらグータラ寝転んでたり」
ふんふん
「朝にちゃんと起きてこないとか、夕方ごろにならないと頭がシャキッとしてこないみたいとか」
ふんふん
「ご飯もあんまり食べないし、口癖が『ダルい』だし、でも変に夜は起きてるし」
ふんふん
「なんかね、思春期?反抗期ですか?でも別にケンカが増えた感じではないんですけどね」
ふんふん
「料理とか掃除とかも手伝う訳じゃないし、そういえば一昨日『アンタ何してそんなに疲れることがあるん?』って言ったら大泣きして昨日は口きいてくれませんでした。あれはまぁ、かわいそうなこと言うたなーって反省してるんですけど」
ふんふん
「どうやったら真面目に学校に行くようになるんですかねぇ?どっこも似たような感じなんやと思うんですけど、やっぱり休みがちで家でゴロゴロされると何も言わへん訳にもいかへんかなぁと思うし・・・」
ふんふん。うーん。なるほどね・・・
えーっとね、次回は娘さんも一緒に来てもらえますか?
「はい。わかりました。先生からもちょっと厳しく言うてやってください。やることやらなアホな大人になるんやでって」
わかりました。まぁ、まずは本人からも聞いてみてからね。
–
来てくれました。八幡さん(仮)の娘さんAちゃん。
大体はお母さんが言ってた通りでした。
が。
Aちゃんは何が嫌でダラダラしてるのか?
何かが嫌でサボってるのか?
学校で、部活で、バイトで、イジメなり嫌な出来事があったのか?
もしくは他に何かあるのか?
それはすぐにわかりました。
前回の振り返りでお母さんに聞いた話をササっとおさらいしました。
もちろん悪口にはならないよう言い方には気を付けながら。
お母さんも引っ掛かることなくおさらいしてくれました。
齟齬や語弊や異論はない様子。
じゃあお母さんの認識はこういうことみたいですね。
A子ちゃんに配慮しながら『お母さん心配してますよ』という話を優しくしたところ
A子ちゃんは泣き出しました。
えっ、言い方キツかった?
内容おかしかった?
お母さんも「え、アンタの普段を説明したんやん」と戸惑っています。
泣き止むまでちょっと長く待ったことに私は違和感を持ちました。
(あれ?必要以上に泣いてるような・・・)
そして、お母さんではなくA子ちゃんに聞きます。
どう?それ違うってトコあったら教えて?
ちゃんと話してくれました。
「ぜんぜん違うし」
ぜんぜん?そうか全然か。ふんふん
お母さんが驚きます。
「何が全然よ!ほな自分の口から説明してみぃよ!」
「お母さん、全然わかってくれてへんやん・・・(泣)」
A子ちゃんはまた泣きます。
思春期ゆえの感情の上下にも思いますが、別の角度からなんとなく気になりましたので確認をしていきました。
じゃあ、A子ちゃんの感覚を知りたいんやけど、まずこれやってみてくれる?
私は【起立性調節障害】のチェックリストを渡して答えてもらいました。
A子ちゃんは該当していました。
お母さん、これね、自律神経の乱れが原因のしんどさで、サボってるとかダラダラしてるんじゃなくて、起きたくても起きられへん。やりたくても頑張れへん。そういうことの可能性が高いですね。
「えぇっ!?そうなんですか?ホンマに?」
A子ちゃんは怒ります。
「だからずっと言うてるやん!お母さんが聞いてくれてないだけやん!」
A子ちゃんはまた泣きます。
来てくれてよかった。
病院でもよかったしカウンセリングでもいいけど、起立性調節障害だということがわかってよかった。
薬を飲んでいくか、改善していけるかはこれからだとして、まずお母さんがやっとA子ちゃんに正しく思いやりを持って接していけるようになるはず。
反省しきりのお母さんもそうですが、A子ちゃんも定期的に来てくれるようになって、不思議なもので理解ありきで話ができるようになったことでか症状が少しマシになっているそうです。
これからも出来るだけフォローしていけるように柔軟に対応していきます。
心理カウンセリング京都でした。