気まぐれ日記

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京都,入学,卒業,進学,就職

3.4.5月のカウンセリングラッシュ

心理カウンセリング京都です。

毎年のことですが、去年と今年はさらに多い気がしています。

それは入学、卒業、進学、就職に際して不安になる、不安定になるという方。

もちろん子供・生徒本人もそうですし、お父さんお母さんの立場で「しんどそうで見てられない」というのも多いです。

ですので、本人だけの場合や、本人と親御さんで来る場合や、親御さんだけで来る場合などパターンは様々です。

去年と今年はさらに多い気がするというのは、遠因としてやはりコロナが関係しているんだろうなぁと感じます。

直接的にコロナに感染したという訳ではないにしても、どうしても将来不安が強くなってしまうようです。

子供(生徒)によっては不安感を持つだけでなく体調不良に現れることもあります。

吐き気・頭痛・無気力感・生理不順・不眠・食欲不振など。

親によっては「最近、子供が18歳にもなってイヤイヤ期が再来してる」というような感覚で来てくれて、詳しく聴いていくと「それは大学進学に際して不安になっているのでは?」と感じます。

親御さんによっては、「え、そんなことで?高校を卒業したら大学に進むのは当たり前やがな。受験勉強で疲れるならまだしも、受験に受かってあとは『さぁ大学や♪』って楽しめばえぇのに?何が不安になるん?」と言う人も多くいます。

個人的にはその通りだと思います。そう思うのも自然だと思います。

ただ、この10年間ほどでしょうか。

高校に入り、大学に進み、就職して、そこで定年(65歳)まで働いて『いっちょ上がり』という人生のパターン。

終身雇用が当然だった頃までは、その人生パターンのレールに乗れるかどうかが課題で、そのための努力が必要な時代でした。

でも今は、新卒で就職して定年(65歳)までずっと一つの会社に居続けるという終身雇用はまずなくなりました。

もちろん同じ会社でずっと頑張れて収入面や生活リズム、仕事の仕方が固定されていければ理想的ではあります。

しかし今では転職するのは当たり前。会社の待遇こそ収入面やクリーンさは公平的・透明性が平等になってきている側面はありますが、それ以上にそもそも会社がなくなる可能性すら考慮に入れて選ぶ人も多い。

新卒が就職した会社に3年以上在籍する確率は30%程度にまで下がっているのが現実です。

『とりあえず3年』とか『石の上にも3年』はそういう意味ではないんですが、とにかく3年続く人が3人に1人ぐらいという数字。

その数字を当の子供たち(学生たち)も事前に知っています。

なので、人によりますが疑問を持つのも自然です。

■なんで3年も行かへんような会社のためにこんなに就職活動を頑張らなアカンの?

■なんで将来どうなるかわからへんのに大学を現役で卒業せなアカンの?

■なんでやりたいこともわからへんのにとりあえず高校を決めなアカンの?

■何も決まってない、保証もない、自信もないのに、とりあえず先に決めなアカンことが多すぎひん?大きすぎひん?

■毎日ニュースで大人が不正をしてる。殺人をしてる。虐待をしてるやん。

■大人が見本になってないやん?社会人の先輩がちゃんとしてないやん?政治家がおかしいやん?親が離婚してるやん?

■何が正しいか、誰が正しいか、どうするのがいいかわからなすぎるよ。

■SNSでは愚痴や文句、否定や不満、拒絶や孤立で溢れてる。

など、違和感や不安を持つに十分すぎる情報量なんです。

事前に無駄に多くの情報を知れすぎてしまうことがそもそも子供たち(生徒たち)にとって邪魔で不安材料にしか成り得ないんですよね。

逆に言うと、大人を見て、社会人の先輩を見て、政治家を見て、親を見て『幸せそうだなぁ。自分もそうなりたいなぁ。みんなが協力的で思いやりのある社会だなぁ。世のため人のために自分も活躍したい。』とポジティブに思える要素がなさすぎる。

マイナス材料ばかり多くて、プラス材料が少なすぎる。そりゃ不安と不満があって当たり前なんです。

そこまで現実的に切実な社会事情を勘案しての弱り方じゃないにしても、コロナ含め無駄な情報量が邪魔になっていることは大きいでしょう。

なので現役の子供たち(生徒たち)が弱って困ってわからなくなって当たり前だと思います。

でも、だからといって

学校に行かなくていい訳じゃない。

進学しなくていい訳じゃない。

簡単に退学・退職していい訳じゃない。

病んで引き籠っていい訳じゃない。

こんな時代、世の中でもどうにかして、せめて自分や自分の身内だけは困らずそれなりに生きていけるようにならないといけない。

そのためには弱さを認めるばかりはできない。強さがどうしても要る。

押し付けるんじゃなく、本人が自然にもう少し図太く強く大きくなる必要がある。

けれど、その感覚を身に付ける方法を知らない。

世の中は極端に優しすぎる人か、厳しすぎる人しかいない感じがする。

大事なのは学校のお勉強だけじゃない。

でも、ちょうどいい学習ができる場と人と時間を持てない。

いつでも気が付いたら本番に試される。

そりゃしんどいです。

ワイドショーでは毎日、大人の代表たる政治家の違和感をテレビで芸能人たちが愚痴っています。

SNSでは会ったこともない人たちが文句しか言ってない。

優しく温かく、義理や筋や誠実さを教えてくれる人に知り合う機会がめったにない。

何かの機会があった時に自分が素直に上手に自分を表現できることに自信もない。

どうやって賢くなれるのか。どうやって上手に生きていけると思えるのか。

難しく思って当たり前です。

そう考えると、カウンセリングに駆け込んでくる子供たち(15歳~25歳ぐらいが特に多い)や、親御さんの行動は素直なSOSだと思います。

カウンセラーとしては、いかに『まだ起きていないことをわざわざ不安に思わなくていいんだよ』に始まり、一人一人が今どんなことに特に何を思っているのかまずは聴いていってあげることに尽力しています。

この角度からのカウンセリングのテーマ1つだけでも、まだまだ何年先までも必要性があるんだろうなぁと感じます。

もっと子供が自然に、明るく楽しく元気に育っていける社会になればと強く望みます。

心理カウンセリング京都でした。

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